旅した日:2013年11月

今回はかなりの思いつきで神戸→門司の阪九フェリーで旅してきました。どうしてわたしはこんなにフェリーに乗るのが好きなんだろうかと自分でも不思議なくらいフェリー旅が好きすぎて、今回もふと思い立って週末フェリー旅に出かけてしまったのだけれど、うーん。どうしてこんなにフェリーが好きなのか、ちょっと考えてみました。(好きなものに理由はいらないんですけどね)

まずはフェリーに乗ってる人たちの身にまとっている”旅感”。フェリーは移動の手段だけど、同時に目的でもあるような、そんな曖昧な時間が好きだ。移動の手段かつ目的ですが、フェリーの中では特にやることがない・・・・ゆらゆらと波をわけて進む船の中、とりとめのない考えが浮かんで消えて時にはじっくり考えて、かといってすぐに忘れてしまってという心地のよい思考をめぐらすのが好きなんですね。

あとはフェリーの中で飲む生ビールが格別。ビール飲んでぼーっと考えて、またビール飲んでぼーっとして、ぐだぐだになって眠るのが最近のお気に入り。フェリーではまどろみながら寝てるような寝てないような浅い眠りなんですね。

今回はフェリーでよろけて一口も飲んでいない生ビールを床にぶちまけるという悲しい事件を乗り越えて、朝8時半に新門司港に到着~!
とってもよい天気。しばらく寒さが続いていたけれど、この週末は小春日和でうれしいお散歩日和。

今回は九州方面ではなくて、関門海峡を越えて中国地方へ。とりあえず、なんとかたどり着けるだろうと適当に萩の民宿を予約しておいたのでボチボチと向かう。ただ交通手段とかルートとかまったく考えてなかったので、下関でとりあえず下車。スマホの乗り換え案内で『下関→萩』と検索してみたら5時間とか7時間という目を疑う結果が発表されていたので、なんじゃこりゃーと松田優作ばりに叫んで駅員さんのもとへ。

駅員さんのアドバイスによると、下関から『山陰観光列車 みすず潮彩号』という観光列車があるから、それに乗って仙崎まで行ってそこから路線バスで萩へ向かうのが早くて面白いルートだよと教えてもらったので、早速その潮彩号へ。どうやら1日に1本しかない列車のようで、タイミングよく乗車できたのが本当にラッキーとしか言いようもない。船でビールをぶちまけてしまったから、その分のお返しなのかもしれんなぁ・・・とまたとりとめのないことを思いながら列車に乗り込みます。

三角や階段型の窓などアールデコ調に統一された「みすゞ潮彩」。車内では、指定席のほとんどが海側に向けて設置され、通常より大きくとられた車窓から日本海の眺めを満喫できるよう配慮されています。特に眺めの良い3箇所のビュースポットでは列車を停止させ、車内アナウンスによる車窓案内を行い、乗車時間を楽しませてくれるエンターテインメント精神が旺盛な列車!

列車の中では金子みすずさんにまつわる紙芝居をやってくれたり、記念乗車券をくれたり、金子みすずの手作り詩集&ポストカードをくれたりと、かなりのおもてなし精神。2時間あっという間でした。しかも乗車券&指定席券で2000円弱というお値段はなかりのコスパ!中国地方をゆーっくり旅する方には本当におすすめの観光列車です。

そして金子みすずさんの故郷、仙崎に到着。仙崎という街自体は派手な観光地という雰囲気ではないけれど、街のあちこちに金子みすずの詩が飾られていて、みんな誇りに思ってるんだなと感じました。

金子文英堂を再現した『金子みすゞ記念館』です。

世界文学大全集!!これぞ文英堂という雰囲気。実際に本は買えませんが、レトロな本がたくさん並んでおります。

みんなちがって、みんないい。
この画、よーく見てみるとモザイク画みたくなってます。近づいてみると・・・

いろんな方の顔写真になっているんですね。

みすゞさんの部屋を再現しているそうです。窓から通りが見下ろせるとっても感じのよい部屋でした。空間の気がよいというか、流れがよいというか、そんな雰囲気です。

金子文英堂の番頭さん気分で。

金子みすゞ記念館のある通り沿いにはいろいろ面白そうなお店も。「こころのうたの里 みすゞこうぼう」さん
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